6月17日に行った全校道徳なる時間の振り返りを皆さんと共有(紹介)させていただきたいと思います。
*皆さんとは、このHPを読んでいただいた方となります=保護者・地域の方・職員、そして子ども達(文章は稚拙ですが漢字を多用しますので読めないかな。そんな時は、お家の人と一緒に読んでください)、さらには、兼山小に興味関心ある兼山地区以外にお住いの方々(HP訪問、ありがとうございます)。
すでに、授業の様子は当日のHPで紹介していますので、何を共有するのかな、と思われた方もおみえかと思います。
◆授業準備◆授業の様子◆授業の感想 の大きく3項目を綴ります。
子どもたちの文書から、子ども達の思いや授業者の意図などを共有させていただき、子どもたちの笑顔の“もと”を一緒に考えたいという願いです。また、授業展開についての
ご意見(これはいい、こうした方がいい)もいただけたらうれしいです。
授業後に子ども達、先生方から頂いた感想メモの記述より、この時間の評価は「よかった!」です。ホッとしました。
今後、2回目・3回目を企画します。その時、もっと子どもたちの内面に迫れるような授業がしたいと願っていますので、再度、話題にしたいと思います。
【授業準備】
①取組中に全校児童に全校道徳を予告する。
給食時間にランチルームで「全校で「あの時、どんなこと考えていたの?」と思える写真をみて、みんなで考える道徳を行います。」と告知しました。
②取組中の様子の写真を撮る。
養護教諭さん、大活躍!担任やフリーの先生も、指導の合間に撮っていただきました。
③運動会当日
「元気・本気・根気 楽しく全力であきらめない運動会」
④運動会を終えて、一人一人が振り返りを書く。先生たちも書く。
⑤どの場面を取り上げるかを④を読んで考える。写真を選ぶ。
⑥プレゼン資料をまとめる。
【授業の様子】
このシートの順で進めました。
◆はじめのあいさつ
①運動会を振り返ろう
②ファミリー班で感想交流
③感動の場面を教えてください。
④あの時、どんなこと考えていたんだろう。
*ここで、「あの場面の〇〇さんの気持ちをききたい!」という発言があると想像しましたが、なかなか挙手はできないようでした。そこで、先生たちの声からいくつか紹介しました。
◆「練習では一度も勝てなかったけど、本番で勝った赤団」この時、どんなこと考えていたの?
「この場面、赤団さんはどんな気持ちだったと思う?」・・・顔を見合わせたり、恥ずかしそうなしぐさをしたりする様子でした。
教頭先生は、こんな感想を書いていました。「ゴール直前まで白の勝ちかな・・・と思っていました。でも、最後の最後で赤が逆転勝ち。練習でも一度も赤が勝ったことがなかったと聞いていました。やっぱり、最後まで、仲間を信じてあきらめない!大切ですね。」
「赤団さんに訊いてみようかな?」・・・なかなか、難しい空気を感じました。
「どんな気持ちだったんだろうね。」と話して、次の写真へ。
◆「2年生競技中の団席この3人」この時、どんなこと考えていたの?
状況を説明します。これは、4・5年生の「爆走!!らんまるタイフーン!」を終えたゼッケン9番の少年に5・6年生(応援副団長・団長)が声をかけているシーンです。
どちらもノーミスで棒(長いバトン?)を繋いできましたが、最後にミスがあり、赤団が勝ちました。泣いて団席に戻ってきた4年生のそばに2人が寄り添い、「頑張ったね。大丈夫だよ。」「俺が頑張ってくるから見てて。応援してね。」と声をかけていた場面です。
「どんなことを考えていたんだろうね?」と投げかけますが、挙手はありません。意図的に指名する場面かとも思いましたが、「いいよ。手をあげなくても、心の中で考えてみましょう。」で進めました。3人は私に目を合わせてくれましたが、指で×(発言を求めないで)サインを出す子もいたので進めました。私は、このシーンを知りませんでした。でも、次の場面はよく覚えています。
4年生の彼(ゼッケン9番)は、堂々と選手を引き連れて入場・整列させていました。
どんな気持ちだったんだろう?
訊いてみたかったけれど、NGサインでした。でも、こんな表情をしていました。
授業後、担任の先生が彼の気持ちを聴き取って下さいました。
「励ましてもらった時、悔しい気持ちは残ってたけど、声をかけてもらえて、心がすごく落ち着くことができた。」
担任の先生は、こう続けています。
「友だちから声をかけてもらえて、とてもうれしかった、と言える〇〇さんが素敵だと思いました。」
新採2年目の先生は、子ども間のやり取りに感動したことを綴っていました。子どもにとっても先生にとっても心に残ることでしょう。
私は、「今日も勝つぞ!」と張り切っていたところでの負けに心が折れそうなときに「大丈夫だよ。」と声をかけられ、5・6年の競技を応援し、心を落ち着かせて自分の係の仕事をやり切る〇〇さんに感動しました。
◆「全校リレー 大きく差をつけれた白団アンカー、白団」この時、どんなこと考えていたの?
最後は、このシーン
白団では、途中アクシデントがあったそうです。私は、そのシーンに気づきませんでした。閉会式で泣いている子がいました。情に厚い子だなとその姿を見ていましたが、どうやらそれと関係あることが後から分かりました。
【先生からの振り返りより】
・転んでしまったAさんのことをリーダーのBさんが、「4位になったのは誰もAさんのせいだと思っていない。転んでしまってかわいそう。」とずっと心配していた場面に感動しました。(このBさんが写真の白団アンカー16番さんです。)
さて、アンカー・白団のメンバーさん。どんな気持ちで走りきたのでしょう?当事者たちの手は上がる雰囲気ではなかったので、ここも、「心の中で考えてください。」で進めました。
そして、今日の授業の感想を書いてもらい、私の話で授業を終えました。
【感想を書いている様子】
私は、子ども達と先生方の振り返りを読んでいます。授業が進めば進むほど、もっともっと読み込めば、もっと違った時間になったなあと反省しながら、次の写真と2年生の気持ちを紹介しました。
「・・・いちばんがんばったきょうぎは、はしるやつです。たとえばリレーや40メートルそうです。どうしてかというと、ぼくが一ばん2年生で足がおそいからです。でも、スローガンにむけて「ぜんりょく」というのがぼくのこころにきて、いつもよりがんばりました。たのしかったです。」
今日は、「あの時、どんなこと考えていたの」ということで、みんなと運動会を振り返ってみました。発言はなかなか難しかったけれど、心の中で、友だちの気持ちを想像したり、自分の気持ちを思い出したりできたらよかったと思います。あの場面には、じつはこんな背景があったのか、など新しいことも知ることができました。目に見える一面で決めるのではなく、いろんな見方や考え方ができると、もっと相手のことや自分のことも理解できますね。今、紹介した友だちのように、これからも「目標」をこころに刻み、意識して努力を続けていきましょう。みんなで「笑顔の道」を歩んでいきましょう。・・・と言うような内容を話して授業は終わりました。
【授業の感想】一部紹介
<1年生>
・楽しかった!99点!
・みんなのかんがえたことがしれてよかったです。みんなのいけんがすごかった。
・たのしかった。100ぱせんと。💛💛
<2年生>
・すきなどうとくがぜんこうでできてうれしかったです。みんなでこうりゅうをするのがはじめてだから、うれしかったです。
<3年生>
・今日の全校道とくで運動会をふりかえって、こういうことがあったんだなと思いました。全校のまえで手をあげられなかったけど、自分の心ではいろいろ思っていました。
・全校で道とくをすると楽しい感じがしてよかったです。ちがう学年の人の考えていることが分かりました。
・全校道とくで運動会をふりかえって、こういうことがあったんだなと思いました。全校のまえで手をあげられなかったけど、自分の心ではいろいろ思っていました。
・〇〇さんを〇〇さんや〇〇さんがなぐさめてあげて、やさしいなと思いました。はじめて全校道とくをやって、むずかしいところもあったけどがんばってできてうれしかったです。全校の前で手をあげることはできなかったけど心の中では考えれていてよかったです。いつもはしれない全校の様子をしれてうれしかたです。
・全校で道とくをすると楽しいかんじかでてよかったです。ちがう学年の人の考えていることがわかった。
・わたしは心の中で考えてから手をあげて、あたったらはっぴょうしました。きんちょうしました。
・全校の前では話せなかったけど、ファミリーのみんなの前で話せてうれしかったです。
<4年生>
・〇〇さんが〇〇さんをはげましていたことを初めて知ったし、やさしいなと思いました。わたしもこまっている子を助けたりしていきたいです。
<5年生>
・全校道徳で、〇〇さんや〇〇さんが〇〇さんに声をかけていたので、ぼくも二人のようにこまったりしている人にやさしく声をかけたいです。
・ふだん話し合わない全校のみんなと運動会の素直な感想を話すことができました。とても有意義な時間になりました。
・係の仕事をさいごまでやりきることができました。この力をべんきょうでもさいごまでやりきるようにがんばりたい。
<6年生>
・みんなが運動会にたいしてしっかり考えをもって発表ができていてすごいなと思いました。相手の団の話でも、みんなが大きな声で反応して考えをもっていたからです。
・みんなが頑張れたことをおたがいに話ができてすごいと思いました。「くやしい」「またやりたい」と言った〇〇さん(1年生)の思いはいいなあと思いました。
・ぼくは、できれば勝ちたかったけど、思ったのは、人の気持ちを考えることを大切にしました。これから団リーダーをみんながやりたいと思えるといいなと思いました。みんなの気持ちがわかってよかったです。
・リレーで、白団はけこう間が空いていたけれど、最後まであきらめずにみんなが走っていたんのですごいなと思いました。5・6年のつな引きでは、3回やって1回しか勝てなくて、あきらめようと思ったけど、白団のみんな声、応援があったからさいごまでやり切れてよかったです。
・全校道徳で思ったことは、それぞれの場面でいろいろな思いをもって話していてすごいなと思ったし、他の人の場面でもその人の気持ちになりきって話せていて、とてもすごいなと思いました。
<先生方より>
・自分たちが創り上げた運動会という、自らの経験を通しての話し合い、思いの伝え合いだったので、子どもにも入りやすかったし、1年生の子も発表ができて良かったと思いました。
・1年生から6年生まで同じテーマで発表し話し合うことはなかなかないと思うので、他学年との交流は、認めてもらったり勇気づけられたりでき、学びも多いかなと思いました。
・全体での話し合いでは、少し深い発問になると恥ずかしのか挙手が減ったかと思いますが、「無理しなくていいよ。」という校長先生の声掛けで安心して、一人また一人と発言する児童がでてきてよかったと思います。
・1年生の○○さんが、「運動会満足度100%」と言いましたが、「99%」と答える子が多かったです。「あと1%は?」と問うと、児童一人一人に「あの時〇〇すれば・・・」おいう思いなど100%と言い切れない理由がありました。
・「どの場面で感動したか」という発問に対する答えは方は難しいんだなと思いました。
・1人一人に「〇%」に表す数字の意味がしっかりあったことから、自分自身の中でしっかり振り返ることができたと感じました。
・多様な考えに触れることができ、視野が広がったと感じました。
・全校一斉で行うと話す人が限られます。でも、大切にしたいのは聴き合う関係だと思います。挙手をせず話さなかった人が何も考えていないかというとそうではなくて、話を聴いて自分の考えを再構成していたと思います。6年間の発達段階の差があり難しかったと思いますが、年上の考え方、年下の考え方に触れることができたのは貴重な時間でした。
【授業を終えて】
自己の生き方を考え、主体的な判断の下に行動し、自立した人間として他者と共によりよく生きていくための基盤となる道徳性を養うことが道徳科目標です。
そのためには、多様な考え方に触れることが必要だと考えます。反省点はいくつもありますが、まずは第一歩ということで報告しました。
未来につながる笑顔の“もと”を育んでいきたいと考えています。
本校が考える笑顔の“もと”とは、「好き」と思える「ひと・もの・こと」です。
どうしたら「ひと・もの・こと」を好きになれるか。それには「知的好奇心(知りたい・やってみたい等)」「かかわろうとする主体性」「あきらめない心」「健やかな心身」引き出し・伸ばし・鍛えることが必要だと考えます。今年の運動会の取組みから本番、そして振り返りの時間は、これら4つのことを学ぶ機会になったと思っています。皆さんは、どうお感じでしょうか。
*長い文章になりました。推敲も十分とはいえないので、誤字脱字、内容に不明な点、授業自体へのご意見などありましたら、校長までお知らせください。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。