今日の3時間目に、絵本作家:正高もとこ さんをお招きし、体育館で全校道徳を行いました。
題材は、絵本『ぐるぐるまぜまぜ えのぐのしろぽん』(作・絵 正高もとこ 出版社:ひさかたチャイルド)
そうです。絵本作家さんご本人です。
内容を出版社のHPより引用します。「混色の楽しさが伝わってくる絵の具たちのおはなし 絵の具たちが紙に自分の色で絵を描いています。
ところが、白色のしろぽんは、描いたものが見えなくてがっかり。そこで、みんなとぐるぐるまぜまぜしてみたら…混色をテーマに、それぞれの特性を尊重しながら、
協調する大切さも伝わってくるおはなしです。」
まず、簡単に今日にいたる経緯を説明しますと(少々長くなるかも・・・)
5月ごろ、読み聞かせサークルの方から「私の知り合いが書いた絵本を学校に寄贈します。」と『ぐるぐるまぜまぜ えのぐのしろぽん』をいただきました。
その場で読ませていただくと、すごく奥の深い内容であり、これは全校児童に紹介し考えてもらいたいな、と思いました。
先生方に相談すると、全校児童が一緒に同じ本から学ぶなんて初めてだけど、やってみましょう!ということになりました。
では、「誰が読みますか?」ということになり、「ここはご本人にお願いできないか。」「本物の絵本作家さんに会ってみたい。」と話は進み、知り合いだということでサークルの方にお願いして、正高様につないでいただきました。早速電話を掛け承諾いただき、夏休み前から少しずつ計画を練り、今日を迎えることができました。
まず、校長室で今日の授業の担当の先生と最終の打合せを行いました。読み聞かせサークルのみなさんも一緒です。
3時間目が始まりました。
絵本をかかれたご本人による「読み聞かせ」です。なんて贅沢な時間でしょう。
読み聞かせが終わると、学年ごとに集まりました。いわゆる道徳の授業を体育館で行うイメージです。
この距離感は、兼山小学校ならではです。どの学年も活発な感想交流・意見交流が行われました。(1・2年生は合同です)
そして、全体交流をしました。挙手の多さは、さすが「自分の気持ちを伝えきる」兼山っ子です。(頼もしい!)
最初の発言は2年生でした。
「白は、紙と同じ色で自分の絵が描けないから、黒色が手伝って絵を描くことができました。白は、自分のことが大好きになったと思います。」
発言は続きます。
「・・・いろんな色には役割がある。みんなにいいところがある。」
「白色と他の色と一緒になっていい色になってケーキができて、面白かった。」
「協力することが大事なんだと思いました」
「人それぞれ、いいところがあると思いました。」
「しろぽんは、自分はだめだ、と思っていたけど、みんなのおかげでよいところを見つけることができ、自分のことが好きになったと思います。」
「白と黒が助け合う、あたたかい、いい作品だなっと思いました。」
「青は目立つけど、白は目立たないので残念。でも、黒の協力で違う力を与えられて、すごい。」
【子どもたちの発言を聴いている正高さん】
担当の先生からのお話のあと、正高さんから、子どもたちの様子を踏まえながら、絵本作家になった理由やこの絵本に込めた思いなどを子どもたち、そして私たち職員に伝えていただきました。
・女の子は「赤」、男の子は「青」、でも大きくなったら女の子でも「赤」は派手だから・・・などと自由に色を使えない時代がありました。
・もっともっと、自由に「色」を使えたらいい、遊べたらいい、私はそう思います。それが豊かな心を育むこと、感性を育てることになると考えています。
・この本は、仲間外れやいじめはいけない、というところで終わらないように配慮して、編集者と何回も打合せを行い、一語一句丁寧に丁寧に考えて仕上げました。
・私にも、「白」の時代・・・何をやってもうまくいかない時期がありました。そんな時、私は誰かに助けを求めました。作家ですので、いろんな人に感想を求めたのです。
・このごろ、私は「黒」になっているかな、とも思っています。「あなたには、こんな力があるんだよ。」と伝える機会が増えてきました。みなさんの感想を聴かせてもらい、とても嬉しかったです。
*初めての全校道徳でした。6年間の発達段階があります。また、同じ学年でも様々なであり、そもそも考え方は十人十色です。その違いを超えて、集中して考えることができました。絵本の力、『ぐるぐるまえまぜ えのぐのしろぽん』にすごさを感じました。
4時間目は、校長室で大人の感想交流をしました。大人の意見交流をまとめると、「やっぱり、自分のことが“好き”だと思えることが一番大切だ。」でした。絵本の内容だけでなく、絵本作家さんとの出会いというキャリア教育にもなっていというお話もいただき、この授業を企画した先生方に感謝です。
正高さま、読み聞かせサークルのみなさま、これからも子どもたちの心を広げる絵本との出会いをよろしくお願いします。
(「へー・なるほど・じーん」本は心を豊かにしてくれます。)